3月1日と15日にカルチャータウン高陽校さんにて源氏物語講座を行いました。参加者は14名。最近は体験に来て下さる方が増え、嬉しく思います。ありがとうございます。
今回は本題に入る前に江戸時代にできた源氏香について御紹介しました。源氏香の図って見ているだけで楽しいですよね。
今月取り上げたのは葵巻です。『源氏物語』でも有名な巻のひとつですね。
原文で読んだのは
①葵の上と六条御息所が車争いをする場面
です。
①に関しては本当に六条御息所の心情を思うと気の毒になります。誇り高い彼女のことですから、とても傷ついたでしょう。車争いをしたのは従者同士なので、葵の上が悪いとは思わないですけど・・・。
②はホラーですね・・・。上手くいかなくなった後もずるずる続いてきた光源氏と六条御息所の仲ですが、正妻を殺されたら、もう愛し合っていた頃の二人には戻れないですよね・・・。高貴な身分の女性をすげなく扱った光源氏が悪いのか・・・? いやでも、重苦しい性格の人との結婚を躊躇う光源氏の気持ちも分かりますけど・・・。
葵祭は15年前ぐらいに観に行ったことがあります。眼鏡をかけたおじさんがいたり、茶髪のお兄ちゃんがいたり、牛車を牽く牛が逆走したり糞をしだしたりしてずっこけましたが、それはそれで面白かったです。平安時代の行事をこの目で見られて良かったと思います。
余談ですが、葵巻の巻名は源典侍と光源氏の贈答歌からとられています。
源典侍の名前を聞いただけで受講者様方が笑っていらっしゃいました。名前だけで笑える登場人物って凄いなと感心しました(笑)。
時間の関係で原文は読めなかったのですが、私は葵巻に出てくる「男君はとく起きたまひて、女君はさらに起きたまはぬ朝あり」という一文がとても好きです。
光源氏と紫の上が新枕を交わした翌朝の描写ですが、光源氏だけが早く起きてきて、紫の上は起きてこなかったんですね。今まで父か兄のように信頼していた光源氏が突然「男」になったので、ショックを受けたわけです。
紫式部の描写が素敵だなと思います。「光源氏は傍らで眠る紫の上に向かって手を伸ばしました云々」と光源氏が夜にどんな行動に出たかを逐一説明するよりも、ずっとずっと趣深いと思いませんか。
来月のご案内です↓
テーマ:賢木巻を読む
日時:4月5日(月)&4月19日(月)10時半~12時
※5日と19日は同じ内容です
場所:カルチャータウン高陽校
(広島市安佐北区亀崎1-1-6フジグラン高陽 別棟グルメアベニュー2階)
受講料:1100円/回(税込)
※別途、カルチャースクールの入会金が必要です。
持参物:筆記用具
賢木巻ではまた話が大きく動きますね。
そして次回の単発講座の御案内です↓
テーマ:平安時代の葬送
日時:3月29日(月)10時半~12時
場所:カルチャータウン高陽校
(広島市安佐北区亀崎1-1-6フジグラン高陽 別棟グルメアベニュー2階)
受講料:1100円/回(税込)
※別途、カルチャースクールの入会金が必要です。
持参物:筆記用具
平安時代はどんなお葬式をしたのか。どんな方法で埋葬したのか。遺された人々はどんな哀傷歌を詠んだのか等について、『源氏物語』の記述に触れながらお話したいと思います。
葵巻で葵の上が亡くなりましたが、時間の関係上、継続講座のほうで平安時代の葬送について詳しく触れることは難しかったので、こちらで説明します。
興味を持ってくださった方はカルチャータウン高陽校さんまでお問い合わせください。
070-1443-3396
(10時~20時オープン。日曜祝日はお休みです)
よろしくお願いします。