『源氏物語』を原文で読む

広島市中区・安佐北区で源氏物語講座を行っている講師のブログです

安佐北区にて単発講座を行いました

普段は第1月曜日と第3月曜日に継続講座(『源氏物語』を一帖ずつ原文で読む)を行っていますが、第5月曜日には単発講座を行っています。今日の参加者は11名。今年に入ってからは毎回のように体験の方が来てくださっています。ありがとうございます。

 

今日のテーマは「平安時代の葬送」でした。昨年11月に行った単発講座のテーマが「平安時代の結婚」だったので、今回はお葬式をテーマに選んだのです。

 

病人が臨終の時を迎えようとしている時、周りの者はどういう行動を取ったのか? 死が確認された後は? 納棺や出棺の仕方は? 火葬はいつ、どこで、どのように行われたのか? 服喪中の過ごし方は? 法事は?・・・などなど。

 

意外と現代のお葬式との共通点も多くて、千年以上前からの作法がずっと続いているなんて凄いなと思いました。

 

今回皆さんと原文で読んだのは

葵の上の蘇生を願う場面

光源氏と夕霧が紫の上の死に顔に見入る場面

一条御息所の遺言が書かれている場面

桐壺の更衣の葬送の場面

火葬の煙を詠んだ哀傷歌

です。継続講座では時間の関係で二つの場面しか読めないのですが、単発講座では普段よりもたくさん原文を読むようにしています。

 

個人的に好きなのは「光源氏と夕霧が紫の上の死に顔に見入る場面」です。

 

少年時代に紫の上を垣間見てからずっと心の奥で彼女のことを想ってきた夕霧は、紫の上の訃報を聞いて衝撃を受けます。周りの女房達に不審に思われるかもと危惧しつつも、溢れ出る涙を止めることができません。父・光源氏と違って「義母と不倫する」なんて展開にはならなかった夕霧ですが、紫の上の最期に際しては「父上に咎められてもいい。最後にもう一度だけお顔を拝見したい・・・!」と思い、思いきって紫の上の部屋に入るんです。真面目な男がですよ。その秘めた熱い想いに私は胸を打たれます。

 

源氏物語』に登場人物の中で私が最初に「好きだなぁ」と思ったのは夕霧でした(十代の頃の話です)。真面目な人が好きなんです^^

 

 

さて、次回の単発講座のご案内です。

テーマ:更級日記』を読む――『源氏物語』との関係を中心に――
日時:月31日(月)10時半~12時

場所カルチャータウン高陽校
   (広島市安佐北区亀崎1-1-6フジグラン高陽 別棟グルメアベニュー2階)
受講料:1100円/回(税込)
    ※別途、カルチャースクールの入会金が必要です。
持参物:筆記用具

 

源氏物語』大好き少女・菅原孝標女の日記を読みます。十歳の頃に『源氏物語』と出会い、それ以来ずーっと『源氏物語』を愛し続けてきた私としては孝標女に非常にシンパシーを感じます。

 

興味を持ってくださった方はカルチャータウン高陽校さんまでお問い合わせください。
070-1443-3396
(10時~20時オープン。日曜祝日はお休みです)

 

よろしくお願いします。 

 

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