『源氏物語』を原文で読む

広島市中区・安佐北区で源氏物語講座を行っている講師のブログです

中区にて源氏物語講座を行いました

2月3日にカルチャータウン広島校さんで源氏物語講座を行いました。読んだのは葵巻源氏物語の中でもかなり重要な巻ですね。

 

私は子供の頃から六条御息所が結構好きなのですが…大人になるとより一層、彼女の苦しみが分かるような気がします。

 

愛しい人を独占したい。けれどそれは叶わぬ夢。あの人の気持ちはもう自分から離れている。それは分かっているけれど、自分はまだ好きだから別れられない。あの人には正妻がいる。政略結婚なんだからあの女は愛されていないはずなのに、どうしてあの女はあの人の子供を産めるの? 世間から重んじられているの? 私だって美しいし、教養もあるし、身分が高いのに。なんでなんでなんで。嫉妬するのはいけないこと。私は他人を憎みたくなんかない。……けれど、心の奥底ではあの女を憎んでいるような気がする。ふっと気を失っている時、もしかしたら私の魂はあの女の元へ飛んでいっているのかもしれない。

 

……なんというか、かわいそうだなと思います。平安時代の女性は「自我は出さない」のが美徳とされていましたよね。精神的に抑圧されていたからこそ、追いつめられて、物の怪にまでなってしまったんだろうな、と……。例えば雲居の雁のようなタイプは絶対物の怪にはならないと思うんですよね。

 

ん~、でも私は「六条御息所を追いつめた光源氏が悪いのよ!」とは思わないです。光源氏からすれば六条御息所のような「一緒にいて疲れるタイプの女性」とは結婚したくないのは当然だろうし、正妻を殺されてしまったらもう六条御息所を愛しくなんて思えないだろうな、と。

 

六条御息所光源氏も気の毒だなぁと思います。

 

次回読む賢木巻では二人の関係が大きく動きます。

 

次回のご案内↓ 

テーマ:賢木を読む
日時:月3日(木)10時半~12時
場所カルチャータウン広島校
   (広島市中区宝町2-1フジグラン広島4階)
受講料:1100円/回(税込)
    ※別途、カルチャースクールの入会金が必要です。
持参物:筆記用具

 

今月は節分の日に講座を行いましたが、来月は雛祭りの日ということになります。

 

興味を持ってくださった方はカルチャータウン広島校さんまでお問い合わせください。
 090-2820-0740
(10時~20時オープン。日曜祝日はお休みです)

 

よろしくお願いします。