『源氏物語』を原文で読む

広島市中区・安佐北区で源氏物語講座を行っている講師のブログです

安佐北区にて第10回源氏物語講座を行いました

本日は今年初めての講座でした。参加者は7名で、紅葉賀巻を読みました。

 

紅葉賀巻って不思議な巻ですよね。前半は藤壺がついに若宮(後の冷泉帝)を出産し、光源氏藤壺が苦悩するというシリアス展開。それに対し、後半は光源氏と頭中将が源典侍(色好みの老女)と恋の鞘当てを演じるという完全なるコメディ。

 

典侍のおかげで新年から笑い溢れる講座となりました。

 

私は、源典侍は作中で唯一幸せな女性かもしれないな・・・と思っています。どのヒロインもそれぞれ悩みを抱えながら生きているように見えるのに、源典侍だけはすごく人生楽しそうなんですよね。

 

例えば六条御息所は「七歳も年下の源氏の君に溺れてしまうなんて・・・」と悩むし、葵の上も光源氏よりも四歳年上であることがコンプレックスです。しかし源典侍は「源氏の君より三十八~三十九歳も年上なのに・・・」なんて悩みません(笑)。本気で光源氏と頭中将が自分を取り合っていると勘違いしています。そんな源典侍を見て世間の人々は嘲笑しますが、源典侍は気にしません。

 

彼女のようにいつまでも若々しく、ポジティブに生きていけたら幸せだよなぁと思います。幸せって、環境で決まるんじゃなくて、その人の心の持ちようで決まるのかもしれませんね。

 

今回皆さんと一緒に原文で読んだのは

桐壺帝が若宮を寵愛することで光源氏藤壺が苦悩する場面

光源氏と源典侍の寝所に頭中将が踏み込んでくる場面

です。

 

①に関しては桐壺帝がとにかく不憫です・・・。

 

「桐壺帝は光源氏藤壺の密通に気づいていたのかどうか」は物語の中で明言されていませんが、この後、「ああ、桐壺帝は二人の秘密に気づいてたのかもしれないな」と読者に思わせるような場面が出てくるんですよね。それについても今後の講座で触れたいと思っています。

 

②は面白いですね。頭中将が太刀を引き抜く箇所は皆さん驚かれていました。

 

光源氏と頭中将の親友関係、私は好きです。この二人はひたすら明るく、楽しい感じがします。

 

夕霧と柏木も親友ですが、夕霧と柏木の場合はもう少し落ち着いていて、揺るぎない信頼関係で結ばれているイメージ。この二人も好きですね~。

 

薫と匂の宮は・・・親友なのか? そもそもこの二人の間に友情はあるのか? 仲が良いのは確かだと思うのですが、「友達」というのも違う気がして・・・(匂の宮が躊躇することなく薫の想い人に横恋慕しちゃうので)。薫と匂の宮は不思議な関係だと思います。でも二人の複雑な関係も嫌いではないです。

 

 

来月のご案内です↓

テーマ:花宴を読む
日時:月1日(月)&2月15日(月)10時半~12時

   ※1日と15日は同じ内容です
場所カルチャータウン高陽校
   (広島市安佐北区亀崎1-1-6フジグラン高陽 別棟グルメアベニュー2階)
受講料:1100円/回(税込)
    ※別途、カルチャースクールの入会金が必要です。
持参物:筆記用具

 

今月は「紅葉」がモチーフでしたが、来月は「桜」です!

 

 

そして次回の単発講座の御案内です↓

テーマ:平安時代の葬送
日時:3月29日(月)10時半~12時

場所カルチャータウン高陽校
   (広島市安佐北区亀崎1-1-6フジグラン高陽 別棟グルメアベニュー2階)
受講料:1100円/回(税込)
    ※別途、カルチャースクールの入会金が必要です。
持参物:筆記用具

 

平安時代はどんなお葬式をしたのか。どんな方法で埋葬したのか。遺された人々はどんな哀傷歌を詠んだのか等について、『源氏物語』の記述に触れながらお話したいと思います。

 

 

興味を持ってくださった方はカルチャータウン高陽校さんまでお問い合わせください。
070-1443-3396
(10時~20時オープン。日曜祝日はお休みです)

 

よろしくお願いします。 

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