『源氏物語』を原文で読む

広島市中区・安佐北区で源氏物語講座を行っている講師のブログです

安佐北区にて源氏物語講座を行いました

5月の第1月曜日は祝日のためカルチャータウン高陽校さんが休業だったので、今月は第1月曜日&第3月曜日の方合同で、昨日講座を行いました。読んだのは花散里巻です。参加者は10名

 

皆さんと一緒に原文で読んだのは

麗景殿女御と花散里姉妹の紹介(巻頭に近い部分)

麗景殿女御と光源氏の語らい(巻末に近い部分)

です。

 

花散里巻は非常に短いので、

・フランス人女流作家であるマルグリット・ユルスナールが書いた「源氏の君の最後の恋」(『東方綺譚』という本に載っている短編小説)の紹介

平安貴族の生活(何時に起きたか、何時に食事したか、何時に仕事に行ったか等)の紹介

もしました。

 

花散里は現代人の間で非常に人気がある女君ですね。一言で言うと「癒し系」。改めて思ったのは「平安貴族の女性として生まれたならば花散里のように生きるのが一番賢いんじゃないか」ということです。

 

恋人がなかなか通って来なくても文句を言わない。いつもにこにこしてる。恋人(光源氏)が他の女性との間に作った子供(夕霧)の養母になり、大切に育ててあげる。継子(夕霧)やその子供達から慕われる。

 

花散里は優しくて穏やかな人だから、光源氏は生涯彼女を大切にするんですよね。

 

花散里が心穏やかに生活できたのは、彼女が不美人だったからじゃないかなと思います。なまじ美人だとプライドがあって、「私が一番愛されたい」という欲を捨てられないじゃないですか。

 

六条御息所は美人だし、教養があるし、身分も高い。だから「私を一番愛してほしい」

、「私だけを愛してほしい」という感情に支配されるんですよね。でもその欲求は満たされない。だから鬱屈した思いを抱えて物の怪になってしまうんですよね。不幸です。

 

花散里は不美人だから、最初から「自分が一番愛されることはない」と分かっていたんじゃないかな。でも「それでもいい」と割り切ることができる人。六条御息所よりも花散里のほうが幸せだと思います。

 

来月のご案内です↓

テーマ:須磨を読む
日時:月7日(月)&6月21日(月)10時半~12時

   ※7日と21日は同じ内容です
場所カルチャータウン高陽校
   (広島市安佐北区亀崎1-1-6フジグラン高陽 別棟グルメアベニュー2階)
受講料:1100円/回(税込)
    ※別途、カルチャースクールの入会金が必要です。
持参物:筆記用具

 

ついに、進退窮まった光源氏が都を離れて須磨へ向かいます。

 

また、今月末に単発講座もあります。

 

テーマ:更級日記』を読む――『源氏物語』との関係を中心に――
日時:月31日(月)10時半~12時

場所カルチャータウン高陽校
   (広島市安佐北区亀崎1-1-6フジグラン高陽 別棟グルメアベニュー2階)
受講料:1100円/回(税込)
    ※別途、カルチャースクールの入会金が必要です。
持参物:筆記用具

 

広島県にも緊急事態宣言が出されたため、本日の講座を欠席された方もいらっしゃいましたし、出席するかどうか迷ったという方もいらっしゃいました。そこは各自で判断していただければと思うのですが、出席してくださった中には「楽しみが中止になるばかりで毎日気が滅入っていましたが、今日の講座に参加したことで元気になりました」と言ってくださった方々もいらしたことだけお伝えしておきます^^

 

私としてはカルチャータウン高陽校さんが休校という判断をされない限りは講座を予定通り行います。興味を持ってくださった方はカルチャータウン高陽校さんまでお問い合わせください。


070-1443-3396
(10時~20時オープン。日曜祝日はお休みです)

 

よろしくお願いします。 

f:id:yuka_kubota:20210518000206j:plain