『源氏物語』を原文で読む

広島市中区・安佐北区で源氏物語講座を行っている講師のブログです

第7回「いいね! 光源氏くん」感想

「いいね! 光源氏くん」がNHKの「よるドラ」で最高視聴率を記録したそうです。おめでとうございます^^

gunosy.com

 

いよいよクライマックスに向けて盛り上がってきましたね。

 

ロマンス回(第5回)→SF回(第6回)と来て、第7回はシリアス回・・・!?

 

印象に残ったのはやっぱり沙織のこの台詞ですね、「あなたが愛した女人達は誰ひとりとして幸せになっていない」

 

あ・・・言っちゃった^^;

 

私も10代の頃は「『源氏物語』っていろんな恋が描かれてて素敵♡」って思っていましたが、30代になってからはどの女人も不幸に見えるようになってしまいました(幸せなのは源典侍ぐらい?)。「どの時代も「幸せになる」って難しいことなんだな・・・」と思います。

 

だから沙織の言うことも分かるのですが・・・こんなふうに言われたら、光くんはかわいそうですよね。

 

「たくさんの女の人を同じ邸に住まわせて、バカみたい」

 

ん? 沙織殿、『源氏物語』批判ですか?ww いや、確かに現代人から見たらそうかもしれないけど、そもそも1000年も前から『源氏物語』は存在してるのでね、それを言っちゃあ、おしめぇよw

 

当時は一夫一妻制ではなかったんだし、六条院を作ったのは紫式部なんだから、光くんが悪いわけではないですよね。光くんがお気の毒・・・。

 

っていうか、4人で京都に行った意味はあったんでしょうか?

 

いや、個人的には「宇治市源氏物語ミュージアム」が見られて嬉しかったですけどね(5回ぐらい行きました!)。

 

でも、光くんと中ちゃんと沙織が喧嘩しちゃうし、『源氏物語』の世界に戻れたわけでもないし・・・。

 

肝心のフィリップは京都に来ないし(笑)。「東本願寺」というチョイスも謎。もしかしてフィリップが京都旅行を提案したのは、「東本願寺と光くん」の写真が欲しかったから?(笑)

 

光くんと中ちゃんが『源氏物語』のあらすじを読むシーンはヒヤヒヤしました。だって、第2部では中ちゃんの息子(柏木)が光くんの正妻(女三の宮)を犯して、不義の子(薫)を産ませるんですよ? この事実を二人が知ったら・・・もう今までみたいに仲良くはできないですよね^^; 中ちゃんが悪いわけじゃないけど。

 

光くんと中ちゃんがそこは読まなかったと信じたいです。

 

「現代に残りたい」と言い出した中ちゃん。もし中ちゃんが現代に残ったら、柏木と女三の宮の密通もなくなるのかな・・・と思ったけど、柏木は須磨巻より前にもう生まれているんですよね(賢木巻に柏木の弟である紅梅(8~9歳)が出てきます)。となると、やっぱり柏木と女三の宮の密通は避けられないのか・・・。

 

さて、いよいよ次回は最終回です。

 

沙織殿の恋心を光くんに分かってほしい反面、紫の上が都で待っていると思うと、やっぱり『源氏物語』の世界に戻ってほしい気もします。

 

どんなラストになるのか、見当もつきません。楽しみです。

 

中将役の桐山漣さん、すごくかっこいいですね。ハマり役だと思います。

 

光くん役の千葉雄大さんも素晴らしい。「コミカルでかわいらしい光くんを演じられる役者さんって他にもいるかな?」と考えてみましたが、思いつきませんでした。